RAAMについて

アメリカ大陸横断自転車レース「Race Across America」の略称です。

世界で最も過酷な超長距離自転車耐久レースの1つに数えられており、毎年若干のコース変更はあるものの、アメリカ西海岸から東海岸までの約5,000km(3000mile)・獲得標高53,000m(175,000ft)を12日間以内に走るというルールは初回の1982年以来、変わっていません。

ソロの場合は予選会で参加権を取得することが必須条件となり、制限時間は12日間(288時間)です。チームの場合は参加資格の制限がなく、リレー形式での走行で9日間(216時間)が制限時間です。いずれもプロ・アマチュアを問わず参加可能です。

距離・地形・気候を含めたアメリカ大陸横断という難題を前に、参加者・サポートクルーのチーム力、一人ひとりの体力・精神力・知力が問われます。


歴史

前身はGreat American Bike Race(GABR)で、第1回は1982年8月、カリフォルニア州サンタモニカからニューヨーク州ニューヨークシティまでの2,968マイル(約4,776km)。John Marino、Michael Shermer、Lon Haldeman、John Howardの4人が参戦し、Lon Haldemanが9日20時間2分で優勝。翌1983年からRace Across AMerica(RAAM)と名称を変えて現在に至ります。

1983年の第2回は、ゴールがニュージャージー州アトランティックシティに変わり、距離も3,170マイル(約5,100km)に延長、第1回優勝者Lon Haldemanが10日16時間29分で優勝、2連覇しました。

初回4人で始まったレースは、翌83年13人、84年23人、85年25人、86年26人、87年33人、88年40人と年々増加していきました。これは第1回大会のテレビ放映が、ABC放送のWide World of Sportsだったことも影響しています。

ルールの変遷

1983年からオフィシャルフィニッシャーのルールが始まり、基点はミシシッピ河で先頭ライダーが基点通過後、36時間以内に同地点に着かないと公認記録にならないと定められました。ただしゴール地点まで走り切れば、アンオフィシャルフィニッシャーとして記録されます。このルールはさらに改正され、先頭ライダーがフィニッシュしてから48時間以内にゴールすることが公認の条件になり、現在は12日間以内*を公認記録としています。(*カテゴリー区分による)

1992年から、参加資格の制限なくチームでの参加が可能となり、多くのサイクリストにRAAM参戦への扉が開かれました。

ドラフティングは禁止、睡眠や休憩の制限なし、スタートからフィニッシュまで1ステージ、53カ所のチェックポイントが設けられたルートを走ります。

日本人の参戦

日本からは1995年に当団体代表の櫻井要が参戦し、カリフォルニア州アーバインからジョージア州サバンナまでの南部ルート2,913マイル(約4,688km)を11日11時間36分で完走。トップゴールから48時間以内のゴールにはならず、アンオフィシャルフィニッシャーとなりましたが9位に。翌年1996年に同ルートを9日20時間14分、7位でゴールし、当時オフィシャルフィニッシャーにのみ授与された名前入りのゴールドリングを手に入れ、オフィシャルフィニッシャーの仲間入りを果たしました。

RAAM1996 Finisher Ring

櫻井はその後96年・97年・99年と歴戦し、日本からは2018年1人、2019年1人(初の女性参加者)、2023年1人がソロ参戦しています。

RAAM2023 Finisher Medal

RAAM2023 Finisher Plaque (盾)

RAAM2023 Finisher Jersey